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静岡地方裁判所 昭和54年(わ)231号 判決

本店の所在地

静岡県田方郡韮山町南條五四七番地の一七

法人の名称

株式会社サンケイ総業

代表者の住居

静岡県田方郡韮山町南條一五五六番地

代表者の氏名

廣田仁

本籍

静岡県田方郡韮山町南條五四七番地の一七

住居

静岡県田方郡韮山町南條一五五六番地

会社役員

廣田仁

昭和四年一二月一日生

右の者等に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官島田清出席のうえ審理して、次のとおり判決する。

主文

被告株式会社サンケイ総業を罰金二、〇〇〇万円に、被告人廣田仁を懲役一年に各処する。

被告人廣田仁に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告株式会社サンケイ総業及び被告人廣田仁の連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告株式会社サンケイ総業は、静岡県田方郡韮山町南條五四七番地の一七に本店を置き、金融業、木材の販売等の事業を営む資本金一、五〇〇万円の株式会社であり、被告人廣田仁は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、金融業による利息収入の全部及び木材売上げの一部を除外するなどして簿外預金を設定するなどの不正な方法により所得の一部を秘匿したうえ

第一  昭和五〇年二月一日から同五一年一月三一日までの事業年度における所得金額が八、四九〇万一、二一九円であり、これに対する法人税額が三、三七〇万七〇〇円であるにもかかわらず、同五一年三月三一日、三島市文教町一丁目四番三三号所在の所轄三島税務署において、同税務署長に対し、所得金額は二〇九万八、八六八円であり、これに対する法人税額は一一六万七、八〇〇円である旨の内容虚偽の決人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右被告会社の事業年度における正規の法人税額とその申告税額との差額三、二五三万二、九〇〇円を免れ

第二  同五一年二月一日から同五二年一月三一日までの事業年度における所得金額が五、七六五万九、一七六円であり、これに対する法人税額が二、二一一万円であるにもかかわらず、同五二年三月三一日、前記三島税務署において、同税務署長に対し、所得金額は三六万四、四六〇円であり、これに対する法人税額〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、右被告会社の右事業年度における正規の法人税額とその申告税額との差額二、二一一万円を免れ

第三  同五二年二月一日から同五三年一月三一日までの事業年度における所得金額が二、九五四万五、五〇一円であり、これに対する法人税額が一、〇八五万三、二〇〇円であるにもかかわらず、同五三年三月三一日、前記三島税務署において、同税務署長に対し、所得金額は一三三万九、九〇七円であり、これに対する法人税額は二五万二〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右被告会社の右事業年度における正規の法人税額とその申告税額との差額一、〇六〇万三、〇〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人の当公判廷における供述及び第一回、第七回並びに第一四回公判調書中の被告人の各供述部分

一  第八回ないし第一一回公判調書中の証人岩本嘉雄の各供述部分

一  第一二回公判調書中の証人犬飼二の供述部分

一  第一二回公判調書中の証人下山智の併述部分

一  被告人の検察官に対する供述調書(二通)及び大蔵事務官に対する質問てん末書(一五通)並びに同人作成の上申書

一  岩本嘉雄(いずれも二通)、広田英子及び菊地静男の検察官に対する各供述調書並びに大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官下山智作成の査察官調査書三通

一  大蔵事務官犬飼二作成の査察官調査書二通(昭和五四・一・一〇付の全六冊綴のもの及び一・二四付のもの二通)大蔵事務官伊藤嘉文作成の証明書二通(昭和五四・二・二二付及び同日付(二)〔但し三島税務署の昭和五四・二・一三付受付印のあるもの〕)

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官伊藤嘉文作成の昭和五四・二・二二付証明書(一)(但し三島税務署の昭五一・三・三一付受付印のあるもの)

一  大蔵事務官犬飼二作成の脱税額計算書(一)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官伊藤嘉文作成の昭五四・二・二二付証明書(二)(但し三島税務署の昭五二・三・三一付受付印のあるもの)及び同日付証明書(一)(同じく昭五二・六・二二付受付印のあるもの)

一  大蔵事務官犬飼二作成の脱税額計算書(二)

判示第三の事実につき

一  大蔵事務官伊藤嘉文作成の昭五四・二・二二付証明書(三)

一  大蔵事務官犬飼二作成の脱税額計算書(三)

(法令の適用)

被告株式会社サンケイ総業につき

いずれも法人税法(昭和五六年法律第五四号による改正前のもの)一五九条一項、二項、一六四条一項。

以上は刑法四五条前段の併合罪、四八条二項。

被告人廣田仁につき

いずれも法人税法(同前)一五九条一項(いずれも懲役刑選択)。

以上は刑法四五条前段の併合罪、四七条本文、一〇条(判示第一の罪の刑に加重)。刑の執行猶予につき同法二五条一項。

訴訟費用につき刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 吉村正)

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